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実家じまい

実家じまいの順番——片づけ、名義、解体か売却かを決めるまで

最終更新 2026年9月2日
この記事の根拠

2026年9月2日、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」「不動産を相続した方へ」、法務局「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ」、国土交通省「空家法とは」(空き家対策 特設サイト)「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」、国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を各公式サイトで確認。

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実家じまいの順番は、家財の片づけ、名義(相続登記)、解体または売却です。この順番になる理由は一つで、名義が故人のままでは、家を売る・壊すの手続きが最後の段で止まるからです。

売買で買主の名義に変える登記は、故人の名義から直接はできません。先に相続登記で相続人の名義にする必要があります。解体して更地にしても、その土地を売るときは同じです。そして相続登記には、家の中に残っている書類(登記識別情報通知や固定資産税の納税通知書)が要ります。だから片づけが最初に来ます。

すること この順番になる理由 公的な相談先
1. 片づけ 家財を出し、書類を確保する 名義の手続きに要る書類が家の中にある。建物の状態も分かる 市区町村(家庭ごみの処分方法)
2. 名義 相続登記で相続人の名義にする 名義が故人のままでは売主になれない。申請は義務になった 法務局(登記手続案内)
3. 解体か売却か 住む・貸す・売る・壊すを決める 空き家のまま置くと、市の指定と税の特例除外の対象になる 市の空き家窓口、税務署

1. 片づけ——書類を先に確保する

家財の片づけは、物を減らす作業であると同時に、名義の手続きに要る書類を探す作業です。処分の袋に入れる前に、次の物を一か所に集めます。

  • 登記識別情報通知、登記済証(権利証)
  • 固定資産税の納税通知書、課税明細書
  • 建築確認済証、検査済証、建物の図面
  • 土地の境界に関する書類、測量図
  • 火災保険の証券、住宅ローンの完済に関する書類

これらは相続登記だけでなく、売却や解体の段でも使います。片づけ全体の進め方は遺品整理は何から始める?に、解体前に残す書類の詳しい一覧は解体する前に残す書類と、止める設備にまとめています。

家庭から出る廃棄物の処分方法は市区町村ごとに違います。制度と確認済みの名簿は市区町村から探すで確認できます。

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2. 名義——相続登記は申請が義務になった

法務省は、2024年4月1日から相続登記の申請が義務になったと案内しています。要点は次の三つです。

  • 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する
  • 正当な理由がないのに申請しないと、10万円以下の過料の対象になることがある
  • 2024年4月1日より前に相続した不動産で登記が済んでいないものは、2027年3月31日までに申請する

相続人が複数いて話し合いがまとまらない場合は、「相続人申告登記」という簡易な手続きで義務を果たすこともできます。ただし法務省のQ&Aは、不動産を売却するときには相続登記そのものが必要だとしています。売る予定があるなら、申告登記で済ませず相続登記まで進めます。

費用のうち、決まっているのは登録免許税だけ

相続による所有権移転登記の登録免許税は、国税庁の税額表で固定資産税評価額の0.4%(1,000分の4)です。司法書士に頼む場合の報酬は事務所ごとに違うので、依頼する前に見積もりをもらいます。

自分で申請するなら、法務局の登記手続案内へ

法務局は相続登記の申請書の様式と記載例を公開しています。書き方を聞く「登記手続案内」は予約制で、窓口・電話・ウェブ会議で受けられます。申請書の作り方を聞く場なので、書類が揃っているかの事前審査ではありません。

3. 解体か売却か——空き家のまま置いたときに起きること

名義が相続人に移ったら、住む・貸す・売る・壊すのどれにするかを決めます。決めるまでの間、家は空き家として置かれることになります。ここで知っておきたいのが、市区町村が行う指定です。

国土交通省の空き家対策特設サイトは、倒壊の危険など周囲に著しい悪影響を及ぼす空き家を「特定空家」に指定し、2023年の法改正で、その予備軍にあたる「管理不全空家」も対象になったと案内しています。市区町村は所有者に指導・勧告を行い、勧告を受けると住宅用地の固定資産税の特例が受けられなくなります

つまり、家を置いたままにする選択には、市からの指定と税の負担増という期限のない要素が付きます。決めかねている間も、草木・屋根・窓の状態を確認できる態勢を作っておくことが、勧告を受けないための実務です。

4つの選択肢の分け方と、それぞれの相談先は相続した家をどうするか、誰に相談するかに分けて書いています。

売るなら、期限のある特例を先に確認する

相続した家を売る場合、国税庁が案内する「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」で、譲渡所得から最高3,000万円が控除されることがあります。ただし、建物の建築時期、相続開始から譲渡までの期限、譲渡価額の上限、譲渡できる期間など要件が細かく、相続人の人数で控除額が変わる場合もあります。

要件と期限は国税庁のページで確認し、当てはまるかどうかは税務署か税理士に確認してください。解体してから売るか、建物付きで売るかによって適用の可否が変わることがあるので、解体の前に確認するのが順番です。

各段の相談先(公的な窓口を先に)

聞きたいこと 先に行く公的な窓口 事業者に頼むなら
家財の処分方法、粗大ごみの出し方 市区町村のごみの窓口 一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ事業者
相続登記の申請書の書き方 法務局の登記手続案内(予約制) 司法書士
空き家の管理、解体の補助の有無 市の空き家対策の窓口 解体工事の事業者
売ったときの税金、特例の要件 税務署 税理士
相続人の間で話がまとまらない 法テラス(法制度と窓口の案内) 弁護士

どの窓口から始めるかを状況から選ぶ手順は相談先を選ぶに、家の名義と処分に関する窓口の一覧は家の処分・相続の窓口にまとめています。

確認した公的情報

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