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実家じまい

相続した家をどうするか、誰に相談するか——住む・貸す・売る・壊すの分け方

最終更新 2026年9月2日
この記事の根拠

2026年9月2日、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」、法務局「相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ」および法務局手続案内予約サービス、国土交通省「空き家対策 特設サイト」「空き家やその敷地を売る・貸す際に活用できる制度」「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」、法テラス(日本司法支援センター)公式サイト、国税庁「No.3306」を各公式サイトで確認。

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相続した家の行き先を決める順番は、まず名義、次に住む予定、それから距離と建物の状態です。名義が故人のままなら、住む・貸す・売る・壊すのどれを選んでも最初の相談先は法務局になります。貸す・売る・壊すはいずれも所有者として契約する行為で、相続登記が済んでいないと相手方との手続きが最後で止まるからです。

名義が相続人に移っていれば、残る判断材料は三つです。誰かが住む予定があるか、通える距離か、建物が人の住める状態か。この三つで4つの選択肢はおおむね分かれます。

4つの選択肢を分ける表

判断材料 住む 貸す 売る 壊す
住む予定 家族の誰かが近いうちに住む 当面は住まないが、将来戻る可能性を残したい 誰も住む予定がない 誰も住む予定がなく、建物を残す理由もない
距離 問わない 管理や修繕の対応に通えるか、管理を頼める人がいる 遠方で管理を続けられない 遠方で、建物の傷みが進んでいる
建物の状態 手直しして住める 手直しして人に貸せる状態にできる 建物付きでも更地でも売れる(買主側が判断) 修繕の見込みが立たない、倒壊や飛散のおそれがある
名義の状況 相続登記が済んでいる、または進めている 相続登記が済んでいる 相続登記が済んでいる(必須) 相続登記が済んでいる。壊した後の土地も相続人の名義で登記する

どの列にも当てはまらない、あるいは相続人の間で意見が分かれている場合は、決めるのを急がず、次の「公的な相談先」から始めます。ただし空き家のまま置いた場合の市の指定と税の特例除外については、実家じまいの順番で先に確認してください。

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貸す・売る・壊す、それぞれ向く場合と向かない場合

貸す

  • 向く場合:将来戻る可能性を残したい。近くに管理や立会いができる人がいる。建物が人の住める状態か、直して貸せる見込みがある
  • 向かない場合:遠方で修繕や入居者対応に通えない。相続人の間で家の扱いが決まっていない。修繕に見合う需要が地域に無い

貸した後は、貸主として修繕や契約の対応が続きます。空き家バンクへの登録は、国土交通省の特設サイトでも、売りたい・貸したい人の選択肢として案内されています。

売る

  • 向く場合:誰も住む予定がない。管理を続けられない。相続登記が済んでいる
  • 向かない場合:名義が故人のまま。相続人の間で売ることに合意ができていない。建物の中に家財が残っている(先に片づけです)

建物付きで売るか、解体して更地で売るかは、税の特例の適用にも関わります。国税庁が案内する「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」には建物の建築時期や譲渡の期限など要件があり、解体の前に確認しておく事項です。

壊す

  • 向く場合:建物の傷みが進み、近隣への危険がある。土地だけを売る、または土地を残す方針が決まっている
  • 向かない場合:建物付きで売れる可能性を確かめていない。壊した後の土地の使い方が決まっていない。解体後に要る書類を家から出していない

解体は戻せません。壊す前に残す書類と止める設備は解体する前に残す書類と、止める設備にまとめています。

公的な相談先で聞けること、聞けないこと

事業者に頼む前に、公的な窓口で聞ける範囲を知っておくと、何を事業者に頼むのかがはっきりします。

窓口 聞けること 聞けないこと
法務局の登記手続案内(予約制) 相続登記の申請書の書き方、必要な書類、法定相続情報証明制度の使い方 相続人の間の調整、売る・貸すの判断、書類が揃っているかの事前審査
市の空き家相談窓口、空き家バンク 空き家の管理に関する市の制度、解体や改修の補助の有無、空き家バンクへの登録方法 個別の物件の売却価格、契約の内容
法テラス(日本司法支援センター) 法制度と相談窓口の案内。収入・資産の要件を満たす場合の法律相談 登記の申請の代行、不動産の売買の仲介
税務署 売ったときの税金、特例の要件 売る・壊すの判断、建物の価値

法務局の登記手続案内は、法務局の案内では申請書の作成を助ける場で、書類の事前審査や登記が完了することの保証ではありません。相続人の間で話し合いがまとまらない場合は、法テラスで法制度と窓口の案内を受けたうえで、弁護士へつなぐ流れになります。

市の窓口の連絡先は、市区町村から探すから各市区町村のページで確認できます。

事業者に頼む段になったら確かめること

公的な窓口で聞ける範囲を越えたら、事業者に頼む段です。当サイトの名簿で確かめているのは家財を運び出す側の一般廃棄物の許可で、不動産・登記・解体の事業者は当サイトの名簿にはありません。頼む前に、次の登録を自分で照合します。

頼む内容 確かめる登録 照合先
売却・賃貸の仲介 宅地建物取引業の免許番号(国土交通大臣または都道府県知事) 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」
相続登記の代理 司法書士の登録 所属する司法書士会の会員名簿(日本司法書士会連合会)
遺産分割協議書などの書類作成 行政書士の登録(登記の代理はできません) 所属する行政書士会の会員名簿(日本行政書士会連合会)
解体工事 建設業の許可、または解体工事業の登録 国土交通省の同じ検索システム、都道府県の建設業の窓口

免許番号や登録番号は、それぞれの名簿に載っている情報です。見積書や名刺に書かれた番号を名簿と突き合わせ、一致を確かめてから契約に進みます。金額は事業者ごとに違うので、同じ条件を伝えて複数から見積もりを取り、作業の範囲と追加費用が生じる条件を書面で受け取ります。

決めるまでの間にすること

住む・貸す・売る・壊すを決めるまでに時間がかかるなら、その間の管理を決めます。

  1. 相続登記の期限(相続で取得を知った日から3年以内)を家族で共有する
  2. 郵便物の転送と、固定資産税の納税通知書の受け取り先を決める
  3. 通風・草木・屋根・窓を確認する頻度と、誰が行くかを決める。遠方なら市の空き家窓口に管理の制度があるか聞く
  4. 家財の片づけを先に進める。遺品整理は何から始める?
  5. 相続人の間で決めたことを日付入りのメモに残す

窓口の選び方は相談先を選ぶ、家の名義と処分に関する窓口の一覧は家の処分・相続の窓口にまとめています。

確認した公的情報

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