遺品整理と不用品回収の違い——産廃の許可では、家庭の遺品は運べない
この記事の根拠
廃棄物処理法の許可制度と罰則について複数の法律事務所・自治体の解説、総務省行政評価局「遺品整理サービスをめぐる現状等に関する調査結果報告書」(令和2年3月・協力69事業者中、一般廃棄物許可の保有は34事業者)を確認(2026年8月28日)。
遺品整理の見積もりで「うちは産業廃棄物の許可を持っています」と言われることがあります。確認が要ります。産業廃棄物の許可では、家庭から出る遺品を運べません。必要なのは別の許可です。
廃棄物は2種類に分かれている
法律上、廃棄物は大きく2つに分かれます。
- 産業廃棄物:工場や事業活動から出る、法令で定められた廃棄物
- 一般廃棄物:それ以外。家庭から出る遺品はこちら
そして家庭の一般廃棄物を有料で収集・運搬できるのは、市町村が個別に許可した「一般廃棄物収集運搬業」の業者だけです。この許可は市町村ごとに必要で、新規の取得が非常に難しいことで知られています。
総務省が遺品整理業界を調べた報告書(令和2年3月)では、調査に協力した69事業者のうち、一般廃棄物の許可を持っていたのは34事業者でした。これは調査に協力した事業者の中での数字で、業界全体の比率ではありませんが、許可の有無は会社ごとに違うということは言えます。だから会社ごとに確かめる必要があります。
よくある3つの許可と、できること
| 許可 | できること | 遺品の回収 |
|---|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業 | 家庭の廃棄物の収集・運搬 | できる |
| 産業廃棄物収集運搬業 | 事業活動の廃棄物の収集・運搬 | できない |
| 古物商許可 | 中古品の買取・販売 | 買取だけできる(廃棄物は運べない) |
古物商許可も同じで、できるのは買取です。値段のつかない物を有料で引き取って運ぶことは、この許可には含まれていません。
許可のない相手に頼むと、依頼者側が負うもの
- 不法投棄が起きたときの責任。回収された廃棄物が適正に処理されなかった場合、排出者である依頼者側が責任を問われる可能性があります。これは相手を選ぶ話ではなく、依頼者自身の負担の話です
- 費用の条件が後から動きうる。「無料回収」と聞いていたのに、積み込み後に費用を求められたという相談が、消費者庁・自治体に寄せられていると繰り返し注意喚起されています。何が無料で、どこから有料になるのかを、作業の前に書面で確かめてください
- 分別・供養の扱いを確かめる相手がいなくなる。許可と一緒に、どこに何を持ち込むかの説明も受けられなくなります
確認の方法は1つだけ
見積もりの前に「一般廃棄物収集運搬業の許可番号」を聞き、市の公表名簿と突き合わせる。これだけです。手順はこちらの記事に、鹿児島県内の名簿は業者一覧に確認日つきでまとめています。
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